見た理由:『ジャコメッティ 最後の肖像』見た後に友人と一緒に二回戦するかーって上映会を始めたが、候補の中で二時間切ってる映画がこれくらいしかなかったのでうっかりこれになった。
感想:ちょっと前にターセム・シン監督が作った白雪姫とか絶対面白いじゃん!って見ようとしたときにあんまりにも評判が悪かったので見るのやめてた記憶があり、実際見るとオチ以外はそこまで悪くもないなーという感じだった。そして今見るとそんなに評判悪くなくて当時どこのレビューを見たんだろうってなった。謎。白雪姫映画としては2011年のスノーホワイトが本当に見なければよかったと後悔するほど合わなかったので、アレと比べたらなんでも面白いだろうとは思っていたけど、局部的にはスノーホワイトのほうが優れているなあと思う部分もあったりで色々です。映像的には間違いなくこちらに軍配が上がるのですが。
お話:まず良いところとしては小人の解釈が非常に面白かったです。白雪ちゃんのキャラもとても良かった。追剥ぎ姫とか結婚式に殴り込み姫だとかそれだけですでにして面白い。コメディ苦手なんですけどノリ的にギリギリセーフだったので比較的ストレスなく見られました。悪いところとしては、コメディ作品なのでどこまでこっちもマジになっていいもんかなってところもあるんですが、最初に入る女王のモノローグとオチがあんまり合致してない気がしてそこが気になってしまいました。全体的には楽しめたんですけど。個人的になんですけど白雪姫という物語が持っている問題点は、突然王子様がやってきて物事を解決!という部分よりは、若さとか美しさに絶対的な価値があるとかそういうエイジズムっぽいとこになるのではないかなーと思っていて何かその辺がスルー気味だったなーとは思いました。そこにしっかり踏み込んだ上で何故か最終的にスルーしたスノーホワイトという猛者もいらっしゃいましたのでそれをやるくらいなら触らないほうがいいんですけど、女王と白雪姫のダブル主人公ものっぽい感じなので二人の価値観がバシッと逆向いてた方が分かりやすかったかなとか。スノーホワイトの女王様と比べてこっちの女王様は悪役エンジョイ勢的なところがあって若さにも美しさにも自分で勝手に縛られてる人なので比較的どうでもいいんですが、割と冒頭モノローグで期待してしまったのでオチ結局それかい的な残念さがありました。とはいえマレフィセントみたいな話になってもそれはそれでなんか違うんだけど。あとは最後の方に出てくる知らない設定が多すぎたのでそこがちょっとどうなんだろうなという感じでしたね。最後の15分でだいぶ首を傾げたぞ!
やりたいことは分からないでもないんだけど毒リンゴの場面いらないんじゃないかな…
画面:ターセム・シンなので安心して見てました。今回はファミリーで見られるファンタジー作品でグロいシーンがないのでセーブしてるなと思いました。しかし時々隠し切れない何かが漏れ出ていた気はしました。ところで『エバー・アフター』の悪いお姉さんの時も思ったんですけど女王様が仮装舞踏会でクジャクのコスプレしてましたけど(というか基本衣装とか調度品とかクジャクモチーフのものが多かったですけど)華やかな方のクジャクってオスな気がするんですけどいいんですかねそれで。
この監督、どうせCGだろうなと思ったところが意外なほどCGじゃなかったりするというイメージがあるのですが今回はどんなものなんでしょうか。メイキング見たくなるな―。
配役:『ザ・セル』の主人公なんですね女王様。全然分からなかった……とにかく全体的にあの華やかな服を着こなすには顔面の圧が必要なんだなと思いました。白雪ちゃんは眉毛が可愛くて最高でした。この手の映画色々見てると表情豊かなタイプの主人公のほうが基本的に好感度は高くなるんだなと思います。王子様は半裸に剥かれたり逆さ吊りになったりうさちゃんになったり半裸に剥かれたり子犬ちゃんになったりろくな目に合ってないけど196センチあるから小人との対比が面白かった。意図せず『ジャコメッティ』と同じ日に見てしまったので振れ幅がでかすぎて何だこれってはなりました。映像面の話にも絡んでくるんですけど、小人は実際に小人症の俳優さんが演じていらっしゃるので、その辺もスノーホワイトとはいろいろ姿勢の違いがあって面白いですね。
余談:コレわりと致命的なネタバレなんですけど、ショーン・ビーンって死ぬ役と悪役が多いって聞いてたんですけどわたしの見る映画だと「本人に非があるわけではないのだけれどクソの役にも立たない(もしくは余計なことをする)父親役」で出てくる率の方が高い気がしています。たぶん最終的にいろんなところを削ったから終盤に怒涛の知らない展開な作品になっちゃったんだろうけど、このキャラってオチにおける最ズッコケ要因だったのでむしろ削ったほうがよかったのでは……?
余談2:『ザ・セル』の時はインド映画感なかったのに今回はエンドロールが完全にインド映画になっていた。
ギャガ公式がアップロードしてくださっています。
エンディングでいい感じのダンスが入るとなんかもう細かいことはどうでもいいかという気分になれて良いですね。
字幕で見たけど吹き替えでもう一周したいなとは思っています。なにぶん深見梨加の女王様キャラが大好物なものでもうそれだけである程度は楽しいんじゃないかな…
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