2018年6月21日木曜日

寸評『ジャコメッティ 最後の肖像』


見た理由:友人と「早くアンクルの2出ないかな」みたいな話をする→そういえばアンクルくらいの時代でアンクルのイリヤの人が出てるジャコメッティ映画あるらしいって話題になる→調べる→明日近所で上映してるじゃん→じゃあ見に行くか
今までで一番軽いその場のノリで見に行った映画かもしれない

感想:映画に対する前知識もそのレベルで、かつジャコメッティに対する前知識も細長い彫刻作る20世紀の彫刻家、くらいのレベルで見てもちゃんと見られた。作品とか作風知らなくてもジャコメッティが成功した作家だってことくらい知っておけば大丈夫(かつその辺は本編でしっかり説明されるので本当に何もなくて大丈夫)エンタメ濃度は低いんだと思うけどそこまで見づらい感じでなく、突然興奮するジャコメッティを眺めているうちに映画は終わった。畳み方はすさまじかったけどたぶん原作通りなのでそれはそれ。

お話:作中で絵のモデルになっている人が書いた手記が原作なのでたぶん概ねその通りに進む(ノータッチなのでそのうち読みたい)。起伏は少なくオチも劇映画だと普通しないような感じだけど無駄に感動の展開とかを挿入していないので好感が持てた。

画面:ジャコメッティのアトリエとか当時の街並みとか作り込んであって、ファッションも車も地味なとこにお金かかってそうだなーという感じ。鑑賞後にまず話題になったのが滅多に見ないくらい人間の顔面パーツがアップになっててすごかったってところと、フランスパンあんな運び方して衛生的に大丈夫なのかな……ってことだった。大丈夫なんですかね実際。

配役:ジャコメッティやってるジェフリー・ラッシュって割と自分が見る映画で出現率の高い人なんだけど 、だいたいちょっと悪い人かちょっと偉い人の役なので主人公やってるのは初めて見た気がする(話の展開上実質主人公みたいになってた時はあったけど)。全体的には妻役の人も娼婦役の人もちょっとクセが強いタイプの魅力的な顔立ちの人が多い中で、古典彫刻めいたアーミー・ハマーが逆に浮くって感じの配役なのかなと思ったりしました。それにしても写真見る限りジャコメッティはめっちゃ似てるな……

余談:ジャコメッティは日本にもいろいろありますが大原美術館には細長いジャコメッティと細長くないジャコメッティと両方いらっしゃるので地味にお得感があってお薦めです。あと弟のディエゴが作った猫の給仕長もめっちゃかわいいのでお薦めです。そっちは松岡美術館に常設でいらっしゃるとか。




 ところで日本語版原作本これもしかして絶版なんですかね……

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